小林玲子ブログからのお知らせ

eランニング通信

グンゼSP eランニング通信 第2号

「グンゼスポーツ eランニング通信」第2号をお知らせします。
——————————————————-
【e-Running講義:ペース感度を高めよう】
走り込みというと・・・
距離という「量」の強度を高めた練習を行っていくことをすぐに考えますが、それと合わせて、ペースという「質」の強弱も考えていきましょう。
つまり、距離という横軸だけでなく、ペースという縦軸も考えていくということです。
ペースというのは、時速何キロ、1キロあたり何分何秒ということですが、そのペースを自分でどう感じているかが(専門的には、「自覚的運動強度」といいます)レース本番でペースダウンしないためにも、練習時の重要な認識ポイントになります。
ペースがあがると、その楽さ、辛さが、自覚的運動強度で表現すると、「非常に楽である」、「かなり楽である」、「楽である」、「ちょうどよい」、「ややきつい」、「きつい」、「かなりきつい」、「非常にきつい」、「最高にきつい」というように変化していきます。
で、市民ランナーのレベルだと、そのうちの次の5段階を練習で感じられるように練習のバリエーションを高めていきます。
?「かなり楽である」・・・周りを見渡せる余裕を持ちながら走れるペース
?「楽である」・・・周りのランナーと話していても楽に走れるペース
?「ちょうどよい」・・・呼吸の弾みを少し感じるが、このスピードならずっと走っていけるペース
?「ややきつい」・・・呼吸が乱れてくるが、でも話すことはできるペース
?「きつい」・・・呼吸がとっても速くなる。話すことはなんとかできているペース
つまり、毎回、「ややきつい」というペースばかりで練習するのではなく、他の強度での練習も行うということです。さらにペースという縦軸が変われば、距離という横軸が変わります。速く走れば短く、ゆっくりでは長くということですよね。
フルマラソンのレースでは、前半「楽である」、後半「ちょうどよい」ラスト10km「ややきつい」、ハーフマラソンでは、前半「ちょうどよい」、後半「ややきつい」ラスト5km「きつい」で走るのが理想的なペース配分です。
フルマラソンのスタート直後から、「ちょうどよい」という感覚で走ってしまわずに、「楽である」と感じるペースで走り始め、後半に備えて余裕をかなり残していきます。
フルマラソンレースで30km以降に毎回失速する方は、「距離の走り込み不足」ということだけで原因を決め付けるのではなく、レースで「自分の心をコントロールして経済的なペース配分ができたか?」、そのために「練習でペース感度が高められていたか?」ということもしっかり分析する必要があります。
最後に余談ですが・・・一流ランナーになってくると、フルマラソンでの自覚的運動強度もかなり違ってきます。私の推測ですが、市民ランナーの星あの川内選手は、
前半・・・「かなりきつい」呼吸がつらくなってくる。話すことができない。
後半・・・「非常にきつい」呼吸が荒れ、もうスピードを上げられない
ラストスパート・・・「最高にきつい」もうこれ以上走れない
というようなものすごい精神力で走っていることでしょう。だからいつもゴールでは、意識もうろう状態に・・・