小林玲子ブログからのお知らせ

eランニング通信

グンゼSP eランニング通信 第5号

「グンゼスポーツ eランニング通信」第5号は、レース1か月前〜当日スタート直前までの調整法についてです。
今回は当日のレースで皆さんの今までの努力を100%発揮するための調整、仕上げの話です。
では、3つの期間に分けて説明していきましょう。
?レース1ヶ月前〜2週間前
自分の走力がどれぐらい付いたのか上がったのかを確認する期間です。
前回も書きました30km走を環境の良いコースでレース3週間前あたりに行いましょう。ペースは20kmまではかなり余裕を持って20km以降にペースを上げるつもりで。
この30km走の目的は、最後までペースダウンせずに走りきれたペースが1キロあたり何分何秒かであったかを把握することです。20kmまでは調子よく走り過ぎてしまいその後ペースダウンしてしまうと、走りきれるペースが分らない、自分の走力を把握出来ず、本番レースの適切なペース設定ができないままになります。
レース当日、走力が把握できていないということで自重して走り出せばいいのですが、逆にこれぐらいでは走れるのではないかと勝手な期待を抱き、オーバーペースになることが多くの初心者ランナーに見受けられます。繰り返しますが、最後のペース走の練習も抑えて抑えて走り出しましょう。
それと本番は42kmなのに、最後も30kmの練習でいいの?という疑問が湧くかと思いますが、はい、30kmで十分です。練習の30kmペースで、本番のレースではゴールの42kmまで維持できます。レース当日は練習以上の力がでます。でもその力を前半で使い切らないようにしっかり後半に残しておくことを忘れないように。
レース2週間前あたりには、15km〜20kmの距離を「ちょうどいい」と感じるペースで走ります。ハーフマラソンのレースに出る方もいるでしょう。しかし、これもフルのための調整という意識を忘れずに、前半は必ず余裕を感じながら、後半にペースアップできるは走り方で。
?10日前〜前日
今まで数ヶ月以上に渡って高めてきた走力を、走る量を調整することによって、当日に100%実力を発揮できるようにする期間です。
10日前を切ると練習量をぐっと落としていきます。週に3回以上走っている人は、頻度(週当たりの回数)はその半分ぐらいに。一回あたりの距離も当然増やさないように。2回以下の人は、頻度はそのままでOKですが不安に駆られて一回あたりの距離を増やさないように。走ペースは今まで通りで。極端にゆっくり走る必要はありません。
量を落とし強度(スピード)変えないことで、脚をリフレッシュし心肺持久力は維持していきます。
いよいよ近づきレース前々日は、走っても30分以内に留めます。走らなくてもマイナスにはなりません。
そして前日は走らない、なるべく歩かない、なるべく動かない、なるべく立ち続けないことです。大きなマラソン大会では前日にゼッケン受取会場に出向かないといけなく、またその会場でイベントが開かれていますが、その日だけは階段を上らない、腰を降ろせるとこは降ろすなど、脚力とエネルギーを温存しましょう。
?当日
スタート直前まで、調整、仕上げは続きます。
まず、しっかり体にエネルギーを貯めこみます。朝食後、それと同じカロリー程度の摂取を目安に、糖質をスタートゾーンに移動するまでにコマ目に食べ続けます。
次に、少しでも体内の糖質エネルギーを温存します。ウォーミングアップで走る必要ありません。スタートゾーンに入ってからその場で軽く体操をするぐらいで十分です。またスタートの号砲を待つ間にウキウキして脚をそわそわ動かさないことです。私はいつも5分前までは走路の端にある縁石に腰を降ろし静かにスタート待ちます。スタート直前、気分は高揚しますが動きは冷静に!です。
補足ですが、当日の行動をレースの後でも構わないのでダイヤリーに記録しておきましょう。起床時間、朝食の時間と献立、スタートまでのエネルギー補給の時間と内容、水分摂取の時間と量、トイレなどを。レースのラップタイムも大事ですが、当日のスタートまでの行動パターンも同様です。
マラソンはこの一度だけという方は少ないかと思います。このレースが終わり、冬、春のレースあるいは来シーズンのレースで、この調整法を今後に活かしていきましょう。マラソンは「知恵と経験」のスポーツですので。