小林玲子ブログからのお知らせ

グンゼＳＰ　ｅランニング通信　第４号

「グンゼスポーツ　eランニング通信」第４号は、準備レースの結果やレースでの目標タイムから考えた、本番のフルを見据えた練習でのペース走の走り方についてです。
10月に入り各地でレースも開催されだし、ハーフマラソンに近々に出場予定の方やまた既に出場された方もおられることでしょう。本番のフルを目指した準備レースの位置付けとして。
そのレースの結果から本番ではこれぐらいでいけそうかな？と期待を膨らませることや、あるいは逆に不安を感じることもあるでしょう。
よく専門雑誌などにはハーフマラソンのレース記録にある係数を掛け、フルマラソンの予想タイムの導く計算式が載っています。
以下の式は雑誌ランナーズの2009年12月号に記載されていたもので、国際武道大学の前川先生が導き出した式です。
ハーフの記録1時間20分〜30分の場合　×2.15〜2.18
1時間30〜40分の場合　×2.18〜2.22
1時間40〜50分の場合　×2.22〜2.3
1時間50〜2時間の場合　×2.3〜2.4
2時間以上の場合　×2.4〜
例えば、
ハーフ1時間42分で走ると、フル3時間46分〜55分と予想が、
ハーフ1時間52分では4時間18分〜29分、
ハーフ2時間15分の場合は、5時間24分〜になります。
ただこの係数は、あくまでも平均的数値なので、個々によってフルマラソン向けの練習がしっかりできたのか、あるいは走歴が長いか短い等で掛けるべき係数に幅ができます。
私の場合は、フル用のいい練習ができた場合、ハーフの記録×2.1でフルを走り切れると大体と予想がついています。
初フルを目指す方は、経験値がないのでこの式をぜひ参考にしてください。
ただ、注意することは、ハーフの走力のみでフルを走り切れると思わないでください。
つまり、いくら20km程度の距離を速く走り切れても、フルマラソンに必要な脚の筋持久力がついているかはわからないということです。
フルマラソンのための練習（30kmのペース走）を行わずに、本番のレースにこの式から導き出されるペースで臨んだ場合、25km以降大失速する可能性が大いにありということです。
練習で身につけていないことが、本番ではできることは通常はありえません。例えば器械体操の鉄棒の選手が練習で“月面宙返り”ができていないのに、本番で初めてできるということはないでしょう。ただ、今までピタッと決まらなかった着地が初めて本番では決まるということはあり得ますが。試合、ハレ舞台という緊張感が、プラスに働き新たな力が発揮できるのです。
フルマラソンについて言えば、ハーフしか今まで走ったことがないのに、本番のフルマラソンを一定ペースで完走するのは困難です。30kmを一定ペースで走る練習がしっかり実施できていれば、本番ではプラス効果でそのペースあるいはそのペース以上を持続しフルマラソンを一定ペースで走りきれる可能性も高まります。
30kmのペース走を少なくても1回、できれば2回レース本番までに一定ペースで走り切る練習をしましょう。
30kmのペース走の設定タイムは、
歩かずに完走（4時間30分〜5時間0分）を目指す方なら、１キロあたり6分45秒〜7分30秒のペースで。
4時間〜4時間30分でフルの予想タイムやこのタイムを目標とする方は、１キロあたり6分〜6分45秒で。
以下同様に、
3時間30分〜4時間0分なら、5分30秒〜6分で、
3時間15分〜3時間30分なら、5分〜5分30秒で
3時間〜3時間15分なら、4分45秒〜5分で
3時間以内は4分30秒〜45秒です。
これらを目安に一度は３０kmを走っておきましょう。そんなに厳しいタイム設定ではないと思いますので、３０km走り切っての余裕度がどれくらいあるかも十分認識してください。それと、この先の１２．１９５KMの行程には何が起こるのかも予想してください。
２回、３回とこのペース走を実施できる方は、１回目の余裕度を判断して、ペースを修正していきましょう。ただ練習頻度は２〜３週間に一度程度で十分です。
最後にこれも考えてもらいたいことですが、30kmを走る場合、環境の良いコースを選んで走らないといけません。信号待ちをしないコース、あまりアップダウンのないコース、１キロ（少なくても５km）ごとのペースを把握できるコースで走ります。
私の場合は、３０kmのペース走は必ず大阪の長居公園内の周回コースで行います。家からは少々遠いのですが、それより走環境が最高だからです。１周約２．８kmで、１kmごとにマーク、５kmごとに大きな距離表示があり、高低差は全くなしです。近くに銭湯もあり、荷物預かりや着替えに問題はありません。
皆さんの近くにもそれに近いコースがあればベストですが、ない場合は少々遠出してでも３０km走はぜひいいコースで選んで走ってください。